印鑑登録と実印の関係について
2017/03/27
契約や手続きなどで「実印を押してください」「実印を持ってきてください」と言われることがあります。
実印というと、「重要な場面で使用するはんこ」というぼんやりとしたイメージがありますが、実印とは一体何なのでしょうか?
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目次
実印=住民票のある市区町村役場に印鑑登録したはんこ
実印は印鑑登録をしようとする人の住民票のある市区町村役場で登録されたはんこを指します。
例えどんなに立派な象牙のはんこでも、そのはんこで印鑑登録していなければ実印ではありません。
印鑑登録しなければただの認印です。
100円ショップで購入したはんこでも印鑑登録すれば立派な実印になります。
実印が店で売られている!?
よく印章店では「実印 税込5,000円~」とうたってはんこを販売していますが、それは「実印に適したサイズや字体のはんこですよ」という意味です。
したがって、そのはんこを買ったからといって購入者は実印を持っているということにはなりません。
そのはんこを役場で印鑑登録することによってはじめて実印となります。
実印はフルネームでなければいけないのか?
また、実印はフルネームの氏名が彫刻されたはんこだと思われがちですが、姓か名のどちらかが彫刻されているものでも構いません。
フルネームが彫刻されたはんこは彫刻される文字が多くなり、自然と直径が大きくなるため、それが堂々とした印象を与えるので実印に向いていると言われています。
実印は印鑑証明書とセットで使用しないと意味がない
印鑑登録は住民登録をしている人1人につき1つのはんこだけを実印として登録できます。
印鑑登録をすることによりそのはんこは本人しか持つことのできない唯一の実印となります。
書面に実印を押してくださいと言われたとき「印鑑証明」を添付しなければその印影が実印のものであるのか判別がつきません。
したがって、実印を押印するときは必ず実印であることの証明として「印鑑証明」を提出します。
もし「印鑑証明」を提出しないなら、その押印は認印を使用した場合と同じ効果しかありません。
実印は他人に渡さない
「手続きに必要なので実印を預かりたい」と親類や弁護士などに言われても実印は他人に渡さないようにしましょう。
実印単体での法的な効力はありませんが、無用なトラブルを避けるために渡してはいけません。
相手が書類の押印などであなたの実印を必要しているなら、一旦その書類を送ってもらい、自分で押印した後に送り返せばいいのです。
「実印+印鑑証明」は絶対にダメ!
実印だけでも他人に渡してはいけませんが、実印と印鑑証明の両方を渡しては絶対いけません!
実印を押印した白紙委任状と印鑑証明の場合も同じです。
この2つがセットになることで、土地の登記や遺産相続が勝手に書き換えられたり、知らないうちに借金の連帯保証人にさせられる危険があります。
後から知らなかったと言っても、証拠として実印と印鑑証明が揃っているので覆すのは非常に難しくなります。
このセットを渡すよう要求してくる人は悪用を企んでいると言ってもいいでしょう。用心しましょう。